コーデックス委員会と放射線基準値
正式にはコーデックス・アリメンタリウス(Codex Alimentarius)というラテン語からきた言葉で、食品規格という意味をもち、19世紀末のオーストリア・ハンガリー帝国でも使われたことがある伝統的な言葉です。現在、世界的に通用する食品規格はこの規格だけで、これを普通コーデックス規格といっています。1962年、国連の専門機関である国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)が合同で、国際的な食品規格をつくることが決められました。その食品規格計画の実施機関が食品規格委員会、英語名でコーデックス・アリメンタリウス・コミッション(Codex
Alimentarius Commission)といい、CACと略称されています。1963年に第1回の総会がローマで開かれました。つくった規格ばかりでなく、CACの組織にもコーデックス○○部会というようにこの名前がつきます。
コーデックス委員会の目的
たとえばある食品の規格を決めたり、害のある物質の量の限度を決めたり、衛生的に取り扱う方法を決めたりというコーデックス規格を作ることで、世界の消費者の健康を保護し、公正な食品貿易の実施を促進することがこの委員会の第一の目的です。
コーデックス委員会とは
現在、世界貿易は世界貿易機関(WTO)体制下にあり、この体制を規定したマラケシュ協定、いわゆるWTO協定をわが国は批准しています。食品貿易で何らかの紛争が起こったとき、その裁定にあたるのがWTOで、その際の判断基準となるのがコーデックス規格です。コーデックス規格そのものは直接の強制力はありませんが、このような体制下では重要な役割を果たします。この協定に含まれる「衛生および植物検疫に係る措置に関する協定(SPS協定)」や「貿易の技術的障害に関する協定(TBT協定)」では、科学的に証明される特別な理由がない限り、コーデックス規格を無視できず、国内法規などにも影響を与えるので、この規格は大変重要な国際規格といえます。コーデックス規格は各国それぞれの事情を負った論議によって決められます。従って必ずしもコーデックス規格がすべてわが国の現状に沿ったものとは限りません。多くの場合は、わが国の食品規格をコーデックス規格にあわせなくてはならなくなり、食品産業に大きな影響を与えることもあり得ます。常にその動向を注視し、必要に応じてわが国の主張をコーデックス規格に盛り込むことも大切です。
各国の放射線基準値について
日本とコーデックスの放射線に対する規格および各国の放射線基準値です。
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