内部被曝(被ばく)の危険性
一度、取り込まれてしまった放射性物質は、体内で蓄積され排出されるまでの間ずっと体内で放射線を出し続る内部被曝(被ばく)の状態となり細胞を傷つけます。その為、特定の部位を継続的に放射線の影響を受けることになり外部被曝(被ばく)より深刻な影響が出ると言われています。
内部被曝(被ばく)の特徴
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①.内部被曝(被ばく)は、主にα、β、γ線で起きます。
②.内部被曝(被ばく)の中でも放射線α線とγ線による影響は大きい。
③.体内にある限り、常時、全方位に向けて内部被曝(被ばく)を受け続きます。
④.体内に取り込むと容易に排除できず、放射線の制御もできない。 |
内部被曝(被ばく)の影響
外部被曝(被ばく)、内部被曝(被ばく)に関係なく、ヒトが放射線を受ける被曝(被ばく)により、ヒトの細胞にあるDNAを損傷します。DNAは遺伝情報をもち、このDNAが損傷する事で、体の設計書を失い、正常な細胞ではない増殖をしてガンを発症させたり、新しい細胞を作ることができず体内の臓器不全をおこしたり、免疫低下などを起こしたりします。ただし、被曝(被ばく)をしても細胞は正しい細胞にしようとする修復機能があります。少量の被曝(被ばく)の場合は、全ての細胞が異常増殖するわけではなく、修復され異常な細胞が増殖しないようにもしています。
放射性物質の蓄積と内部被曝(被ばく)
放射性物質に汚染された食品や飲料水を摂取する事により体内に蓄積されます。また、空気中に浮遊しているチリや埃などにも放射性物質が含まれている事があります。これら放射能に汚染されている物質を摂取しないように、放射能検査で放射線量が高い地域を立ち入り禁止、放出される放射線量が高い食品については販売禁止の処置をとっています。
主な放射性物質と沈着部位
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ヨウ素131:甲状腺(120日) 全身の場合は12日
セシウム137:全身(約70日)
ストロンチウム90:骨(約50年)
プルトニウム239:骨(約50年) 肝臓(約20年)
これ以外にも
プルトニウム:肝臓
ウラン、ルデニウム:腎臓
クリプトン:皮膚
セシウム:筋肉 |
内部被曝(被ばく)の初期症状
内部被曝(被ばく)の食症状には、次の様なものがあります。
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頭痛、鼻血、視力の低下、甲状腺の異常、発育障害、集中力がない、風邪をひきやすい、疲れやすい、傷が治りにくい |
放射性物質の排除
食品や飲料水から摂取してしまった放射性物質は、臓器に沈着してしまう場合もありますが、沈着されず排泄される場合もあります。体内に取り込んでしまった放射性物質は、大きく分けて2つのルートで排出される事がわかっています。
①.腎臓→尿→体外
②.肝臓→胆汁→消化管→糞便→体外
体内に滞留する期間ですが、ヨウ素131やセシウム137は約4か月程度で体外に排出されますが、ストロンチウム90やプロトニウム239は生物的半減期が20~50年と長く長期間放射線を出し続ける為に危険です。
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