放射能汚染されやすい野菜
放射能とは、放射線を出すことができる性質のことをいい、今回の東京電力㈱福島第一原子力発電所の事故みたいに人工的に濃縮された放射性物質が飛散した事で様々な食品を汚染します。放射性物質から出る放射線は、発がんを含めた健康への影響があり、多くの人が心配しています。野菜の放射性物質の付きかたは、ダイオキシンなどの化学物質や農薬と似ているため、食品安全に関わる国際的な食品分類が使用されています。野菜には「葉菜類」、「結球性」などいくつかの種類があります。
野菜の種類と放射能汚染について
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ホウレンソウなどの葉菜類の放射能汚染について
ホウレンソウなどの葉もの野菜(葉菜類)は、大気中で細かい粉じんと一緒に空中から落下する放射性ヨウ素などの放射性物質が比較的、葉の表面に付きやすいと考えられています。
そのためホウレンソウなどでは、他の野菜に比べて高い濃度の放射性物質が検出される例が多くなります。また、暫定基準値は重量当たりで表しているので、同じ重さで比べた場合、表面積の多い野菜の方が高い濃度で検出されがちです。
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キャベツなどの結球性のある野菜の放射能汚染について
キャベツなどの「結球性」の葉もの野菜は、畑で収穫した後に、出荷にあたり外側の硬い葉を2~3枚外して出荷されます。粉じんが付着したとしても、外側の葉に付着するので、付着物はかなり取り除かれます。
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大根やニンジンなどの根菜類の放射能汚染について
ダイコンなどの根菜類も、摂食部分(根の部分)が地面の下にあるため、粉じんが直接着きにくいと考えられます。
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茹でたり洗ったら放射線量は減りますか?
市場や小売店で販売される野菜については、放射性物質の汚染が低く、政府が定めた放射線基準値内であり、人体への影響は少なく安全であるとしています。八百屋さんやスーパーマーケット等で購入した野菜に対して特別な調理・加工は必要としません。放射性物質は、熱によって放射性物質が低減することはありませんが、独立行政法人放射線医学総合研究所によれば、「野菜を洗う、煮る(煮汁は捨てる)、皮や外葉をむく、などによって、放射性物質による汚染の低減が期待できる」とのことです。放射性物質が気になる方は、食品の皮などをむき、よく洗い、茹でこぼしをする事をおすすめします。
家庭菜園の放射能汚染の安全性は
震災以降、節電対応などもありグリーンカーテンを行う家庭が増えたかと思います。そこで栽培された野菜についても放射能汚染は心配になるかと思います。ご自宅で栽培された野菜が、放射性物質に汚染されて、放射線がどのくらい放出しているか心配になるかと思います。家庭で栽培した野菜が放射能により汚染した度合いを調べるには特別な測定器で放射線量を調べる必要があり、その機械が非常に高価であり購入して検査するのは厳しいかと思います。
家庭菜園で栽培した野菜に含まれる放射性物質の濃度は、その周辺地域で生産・出荷されているものと似かよっていると考えられます。したがって、その所在地において出荷制限、摂取制限が行われていないかを確認した上で食べるようにしましょう。
購入する野菜の放射線量を知りたい
現在、購入する食品の放射能汚染の度合いでもある放射線量を公表して販売している流通業者は、ほとんどありません。これは、放射能測定装置を使用し食品から放出される放射線量を測定するまでに1検体2時間程度必要であり、また検査をするのにペースト状等にするため食品としての形状や食味が変わってしまい為です。ほとんどの業者はサンプリング検査を行っていますが、放射性物質は自然界にごくごく普通に微量であるが存在しており、同一産地の同一品種でも若干放射線量は異なります。放射線量を公表する事で基準内でも放射線量が低いものを選んで購入しようと消費者心理をあおるものとなりますので基準内である場合は公表をしない事が流通業者の対応です。 |
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